Android 10では、カスタムリカバリ(TWRP等)を使用してroot化するとPINや顔認証等のセキュリティ機能やGalaxy Account、Galaxy Store、端末リモート追跡等々の機能が使えなくなりますので、ファームウェアのアップデイトが配布されたのを機に、TWRPを使わずにMagiskのみでroot化してみました。
Magiskでパッチを当てたファームウェアをOdinから焼きます。
注意事項
1) root化の手順を誤ると端末が起動しなくなる可能性があります。ROM焼きの知識があり問題発生時に修復出来る方以外には推奨しません。
2) root化するとSamsung PassやKNOX等の一部の機能が使えなくなります。
2) root化の過程でファクトリーリセットを行いますので、端末内のデータが全て消去されます。予めSmart Switch等でバックアップをとっておきます。
準備するもの
下記3点を事前に用意しておきます。
1) 公式ファームウェア
2) Magisk ManagerのAPK
3) Odin
公式ファームウェアはSamfirmを使って最新のファームウェアをダウンロードしました。
SamFirm
https://forum.xda-developers.com/galaxy-tab-s/general/tool-samfirm-samsung-firmware-t2988647
(参考)Galaxyシリーズのroot化後のファームウェアの更新について
https://galaxy-shw-m110s.blogspot.com/2018/12/galaxyroot.html
Magisk ManagerのAPKは下記からダウンロードしました。
Magisk
https://forum.xda-developers.com/apps/magisk/official-magisk-v7-universal-systemless-t3473445
Odinは3.14.1以降が推奨されています。
odin 3.14
https://forum.xda-developers.com/android/general/odin3v3-14-1-khawajagsm-t4006301
root化手順
1) OEMロックの解除とUSBデバックの有効化
開発者オプションを有効にして、OEMロックを解除し、USBデバックを有効化します。
OEMロックを解除すると、端末がファクトリーリセットされ、端末内のデータが全て消去されます。
詳細手順については下記を参照してください。
(参考)Galaxy Note9(SM-N960F/DS, Android 10)のroot化
https://galaxy-shw-m110s.blogspot.com/2020/01/galaxy-note9sm-n960fds-android-10root.html
2) AP tarファイルとMagisk ManagerのAPKを端末に転送する
PCにダウンロードしたファームウェア(ZIPファイル)を解凍します。
ファームウェアに含まれるファイルについては下記を参照してください。
(参考Galaxyシリーズのroot化後のファームウェアの更新について)
https://galaxy-shw-m110s.blogspot.com/2018/12/galaxyroot.html
解凍したファームウェアの中の"AP tar"ファイルを端末に転送します。
AP tarファイルは、通常、"AP_[モデル名].tar.md5"というファイル名です。
Magisk ManagerのAPKも端末に転送し、インストールしておきます。
3) Magisk Managerで"AP tar"ファイルにパッチを当てる
Magisk Managerを起動し、[Magisk]の[インストール]ボタンをクリックすると、方法の選択メニューが表示されますので、[Select and Patch a File]を選択し、転送しておいたAP tarファイルを選択してパッチを当てます。
↑画面キャプチャを撮り忘れたので、左側の画面では既にMagiskが導入された状態になってますがご容赦ください。
パッチを当てたファイルは端末本体の"Download"フォルダに"magisk_patched.tar"というファイル名で保存されますので、このファイルをPC側に転送しておきます。
4) Odinでファームウェアを焼く
端末の電源を切り、ボリュームダウンキーとBixbyキーを押しながらUSBケーブルを挿し、ボリューアップキーを1回押してダウンロードモードに入ります。
PC側でOdinを起動し、メニューの"Options"の"Auto Reboot"のクリックを外します。
PCに転送したmagisk_patched.tarをAPにセットし、AP以外のBL、CP、CSCには、ファームウェアを解凍して出てきた該当ファイルをセットします。
BL : BL_[モデル名].tar.md5
AP : magisk_patched.tar
CP : CP_[モデル名].tar.md5
CSC : CSC_[モデル名].tar.md5
"CSC"には"HOME_[モデル名].tar.md5"をセットしてもよいのですが、後程、再度ファクトリーリセットをしますので、"HOME..."にしても意味はありません。
"CSC..."と"HOME..."の違いについては下記を参照してください。
(参考Galaxyシリーズのroot化後のファームウェアの更新について)
https://galaxy-shw-m110s.blogspot.com/2018/12/galaxyroot.html
"USERDATA"は空欄のままで構いません。
上記4ファイルをセットしたら、[スタート]を押してROM焼きをします。
ここで、APだけをセットして[スタート]を押すとシステムが正しく焼けませんので気をつけてください。
5) リカバリを起動してファクトリーリセットする
電源キーとボリュームダウンキーを同時に7秒間押し続けると端末が再起動しますので、画面が消えたら、直ぐに(端末が立ち上がらないうちに)、ボリュームアップキーとBixbyキーと電源キーを同時に長押ししてリカバリーモードで立ち上げます。
ボリュームキーを操作して"Wipe data/factory reset"を選択し、電源キーで確定させてファクトリーリセットし、"Reboot sytem now"を選択して端末を再起動します。
この状態でMagiskは既にインストールされていますので、Mgisk Managerを再インストールして、確認します。